「お前、ほんとに仕事できないな」
「使えない」
厨房でこの言葉、ぶつけられたことありますよね。
僕も、ありました。
何度も、です。
調理師専門学校を卒業してホテルに就職。毎日12〜16時間勤務で、ある日ほんの小さなミスを引きずって1日だけ無断欠勤してしまった経験があります。
あの時期、僕はまさに「仕事ができない側」の人間でした。
そこから専門店、大量調理で朝早くから2000食を作る現場を経て、今は現役で老人施設の厨房に立っています。
4業態を渡り歩いた今だから言えること。
「仕事ができない」と言われる人には、共通する5つの欠けがあります。
逆に言えば、そこを埋めるだけで、評価はけっこう変わります。
落ち込む前に、ひとつずつ見直してみませんか。
1. まず、段取りが頭に入っていない
「仕事ができない」と言われる人を見ていて、いちばん多いのがこれ。
その日にやるべきことが、頭の中で整理されていない。
だから、目の前の仕事をただこなすだけになる。
全体が見えていないから、先回りもできない。
仕事ができる人は、朝の時点で1日の絵が頭に入っています。
朝、5分だけ「組み立て」をする
出勤したらすぐ厨房に飛び込む人、多いです。
それ、ちょっとだけ止めてください。
まず5分、頭の中で1日の流れを並べる。
- 今日やるべき作業を全部書き出す
- 時間がかかる作業から取りかかる順に並べる
- 火を使う作業、解凍が必要な作業は先に着手
これだけで、午後の動きが全然違います。
まとめられる仕事は、徹底的にまとめる
僕がいつも意識しているのが、1way2jobという考え方。
1回の移動や行動で、2つ以上の仕事を片付ける、それだけのこと。
たとえば、きんぴらごぼうを作るとき。
醤油を計量しますよね。
そのタイミングで、後で使う煮物の分の醤油も一緒に計っておく。
これだけで、
- 調味料を出す回数が減る
- 計量カップを洗う回数が減る
- 無駄な移動が消える
小さいことです。
でも、これが積み上がると、1日の終わり方が変わります。
「次に何をするか」を、常に半歩先で考える
火を入れている間、ボーッと立っていませんか。
そこ、次の仕込みの時間です。
仕事ができる人は、いつも半歩先を見ています。
「この鍋が煮えるまで5分。じゃあその間にこれとこれを片付けよう」
こういう脳の使い方が、習慣になっているんです。
2. めんどくさい作業から逃げている
下処理、洗い物、清掃、仕込み。
地味で、避けられない作業たち。
これを「あとでまとめてやればいい」とためこんだ瞬間、負けです。
作業スペースは狭くなり、シンクは埋まり、調理どころじゃなくなります。
ここに、ちょっとした工夫を入れるだけで、ぜんぜん違ってきます。
洗い物のコツ
大きいものから先に洗う。
これだけ。
鍋やフライパンを最初に片付けてしまうと、シンクに空間ができる。
小さいものを次々洗える。作業スペースも戻ってくる。
逆に、小さいものから洗っていくと、最後に大きい鍋が残ってシンクを占拠します。
すると、その後の洗い物が全部詰まる。よくある光景です。
それから、調理の合間に少しずつ洗う。
食材を煮ている間、焼いている間、その手の空いた時間に1つ2つ洗う。
これだけで、ピーク時の負担が激減します。
油物は、洗剤を入れた水につけておく。
こびりついたものは、お湯でふやかしておく。
時間を味方にするだけで、力もストレスも減ります。
仕込みのコツ
ここでも、「まとめる」が効きます。
にんじんの千切り。
キャベツの千切り。
同じ包丁とまな板を使う作業は、続けてやる。
途中で別の作業を挟むと、道具を切り替えるたびに数秒、数十秒のロスが出ます。
これが1日に何十回も発生するんです。
機械を使えるなら、使う。
ピーラー、フードプロセッサー、スライサー。
これらは「楽をするための道具」じゃなくて、「時間を作るための道具」です。
3. 上司を観察していない
ここが、たぶんいちばん変化が出やすいポイント。
「仕事ができる人」が周りにいるのに、その動きを見ていない人、けっこう多いです。
教科書は、目の前にあるんですよ。
「なぜ、その順番でやるのか」を疑問に持つ
上司や先輩を見ていて、こう感じませんか。
「なんでいつも、この仕込みから始めるんだろう」
「なんで、このタイミングでこっちに手をつけるんだろう」
その疑問、めちゃくちゃ大事です。
答えは、ほとんどの場合「効率」と「段取り」に集約されます。
何年もかけて辿り着いた最短ルートを、上司は無意識でやっているわけです。
それを、横で観察できる立場にあなたはいるんです。
これ、お金を払ってでも欲しい情報ですよ。
包丁、火加減、味付けのタイミングを盗む
技術面でも同じです。
盗めるものは、徹底的に盗む。
実は、上司に直接「教えてください」と聞くより、観察して真似するほうが早いことも多いんです。
言葉にできない動きこそ、見て覚えるのが一番。
上司の性格も、地味に見ておく
これ、技術論じゃなくて生き残り術の話です。
何にこだわっているのか。
何で怒るのか。
どんな話題なら機嫌が良いのか。
把握しておくと、仕事がやりやすくなります。
教えてもらえる回数も増えます。
雑談、できそうなら少しだけしてみてください。
ただし、雑談が嫌いな上司もいるので、そこは様子を見ながら。
4. 自分の作業しか見ていない
これも、よくあるパターンです。
厨房はチームで動きます。
1人で完結する仕事じゃない。
なのに、目の前のことに集中しすぎて、周りが見えていない。
すると、連携が崩れて、仕事全体が遅れる。
上司や同僚が、今、何をしているか
これを常にチラ見できるかどうか。
上司が肉を焼いているなら、ソースと皿の準備はあなたが進める。
隣の人が盛り付けに入ったなら、次に必要な食材を取りやすい場所に置いておく。
ホールが料理を運び始めたら、次のオーダーが来るタイミングを予測する。
これができる人、めちゃくちゃ重宝されます。
「言われる前に動く」が最強
仕込みがなくなりかけているのに気づいたとき、上司に言われる前に補充しておく。
これ、覚えて損なしです。
「あ、こいつ気が利くな」と思われた瞬間、評価は上がり始めます。
ホールスタッフとの連携も、地味に大事
厨房だけ見ていてはダメなんです。
ホールが詰まっていれば、料理を出すタイミングを調整する。
ホールが暇なら、仕込みを進めるチャンス。
全体の流れを意識して動く人は、必ず重宝されます。
5. 技術が追いつかない焦り、いったん下ろしましょう
包丁。火加減。盛り付け。
これらは時間がかかります。当たり前です。
「あいつはもうできるのに、なんで自分はできないんだ」
そう焦った経験、僕にもありました。
でも、技術の習得スピードは、本当に人それぞれ。
最初は遅くて当たり前
千切りが揃わない。
皮むきが遅い。
火を入れすぎる、足りない。
最初から完璧な人なんていません。
何百回、何千回と繰り返して、ようやく身体が覚えていくものです。
スピードを上げようとして、雑になる。
そっちのほうが、結果的に怒られます。
正確さが先。スピードは後からついてきます。
ここ、本当にそうなんです。
上手な人の手元を、ガン見する
「あの人、なんであんなに早いんだろう」と思う人がいたら、手元を見てください。
動きの無駄が、極端に少ないはずです。
何を意識しているか、機会があったら聞いてみる。
意外と教えてくれます。
オフの日も、ちょっとだけ
家で野菜を切る。
動画で他の人の動きを見る。
新しい盛り付けを試す。
完璧にやれとは言いません。
ただ、ちょっとだけでも続けると、半年後の自分が変わります。
6. ここで、ちょっと聞かせてください
ここまで読んで、どう感じましたか。
「いや、これ全部やってるんだけど、それでも怒られる」
「もう何をしても評価されない」
「努力する気力すら残っていない」
もし、そういう状態なら。
話は変わります。
努力でなんとかなる段階を、超えている可能性があります。
7. それでも辛いなら、職場を疑ってください
ちょっと厳しい言い方をします。
あなたが「仕事ができない」のではなく、その職場があなたに合っていないだけ、というケースは本当に多いです。
僕がホテルで無断欠勤したあの日。
あれは僕のミスというより、毎日12〜16時間勤務で限界を超えていたからでした。
気合や努力でどうにかなる話じゃなかった。
環境が合っていないサイン
- 指導ではなく、人格否定や罵声が日常
- 休みが極端に少ない
- どれだけ頑張っても評価が変わらない
- 体調を崩しても出勤を強要される
- 寝ても疲れが取れない日が続いている
このどれかに当てはまるなら、もう「仕事ができない自分」を責める段階じゃないです。
職場を変えることを、選択肢に入れていいタイミングです。
でも、辞める前にひとつだけ
これは強くお願いしておきたい。
辞めるのは全然いい。
ただ、リセットボタンを押すだけの転職にはしないでください。
今の職場で得たもの、観察したこと、上司や先輩の動き方。
それらをぜんぶ持ち越して、次の職場に行ってほしいんです。
「あ、この仕込みのやり方、前の職場の応用でいけるな」
そう思える瞬間が、必ず来ます。
その積み重ねが、あなたを「仕事ができる人」に変えていきます。
8. 状況別の、現実的な3つの選択肢
無理せず、今の状況に合うものを選んでください。
もう本当に限界、明日から行きたくない方へ
引き止められて辞められない。
話し合いが成立しない。
心身がもう動かない。
このどれかに当てはまるなら、退職代行は合理的な選択です。
逃げじゃありません。
自分を守るための、まっとうな手段です。
同じ調理職で、職場を変えたい方へ
別の店、別の業態、別のオーナー。
横移動だけで人生が変わる人、けっこういます。
フーズラボは、飲食特化の転職エージェント。
担当者が職場の内部情報を握っているので、求人票では見えない人間関係や残業の実態まで聞けます。
▶ フーズラボに無料で情報収集を依頼する(3分・断ってもOK)
詳しいレビューはこちら。
→ フーズラボの評判は本当?元・限界調理師がデメリットから話す本音レビュー
年収アップやキャリアアップを本気で狙いたい方へ
経験3年以上、本気で給料を上げたい、ホテルや高級店、大手チェーンも見たい。
そんな方にはitk。
夜間や土日祝も相談に乗ってくれるので、シフト勤務でも進めやすいです。
詳しいレビューはこちら。
→ itkの評判は本当?ホテル経験者が見た年収交渉のリアル
9. よくある質問
Q. 何年続ければ「仕事ができる」と言われるようになりますか
A. 個人差はありますが、目安は2〜3年。ただし、職場の指導環境によって差が出ます。指導らしい指導がない職場は、何年いても伸びにくいです。
Q. ミスばかりで自信が持てません
A. 最初は誰でもそうです。むしろ、最初の1年でミスをしない方が珍しい。大事なのは、同じミスを繰り返さない仕組みを作ること。メモを取る、確認手順を決める、それだけで変わります。
Q. 上司から個人攻撃を受けています
A. 指導と人格否定は別物です。後者が日常化している職場は、あなたが悪いのではなく職場が壊れています。離れる準備をしていいタイミングだと思います。
Q. 辞めたいと言ったら引き止められそうで怖いです
A. 法律上、2週間前の申し出で退職は成立します。話し合いができない状況なら、退職代行を使うのは合理的な判断です。
→ 即ヤメで明日から行かない状態を作る
Q. 異業種への転職も考えています
A. 調理師の経験は他業種でもちゃんと評価されます。段取り力、衛生管理、プレッシャー耐性、これらは事務や営業、製造業でも武器になります。
10. まとめ|「仕事ができない」は、いったん横に置こう
調理の仕事は厳しいです。
体力も使うし、神経も使うし、人間関係もしんどい。
そんな環境で、「仕事ができない」と言われたら、誰でも凹みます。
それでも、ここで言いたいのはひとつ。
「仕事ができない自分」を責めるより、「できるようになる方法」を試すほうが早いです。
今日からできることを並べておきます。
- 朝5分、1日の段取りを組み立てる
- まとめられる仕事はまとめる(1way2job)
- 洗い物は大きいものから、合間にコツコツ
- 上司の動きを観察して、なぜそうしているか考える
- 自分の作業だけでなく、周りの動きを見る
- 技術は焦らず、正確さを優先する
これでも変わらない、消耗するだけ、というなら。
職場を疑う段階に来ています。
▼ 状況別の一歩目
もう限界、明日から行きたくない方へ
▶ 即ヤメ|24時間対応の退職代行を見る
同じ調理職で職場を変えたい方へ
▶ フーズラボに無料で情報収集を依頼する(3分・断ってもOK)
年収アップやキャリアアップを本気で狙いたい方へ
▶ itkに無料相談する(土日祝・夜間OK)
「仕事ができない」と言われた今日が、変わるきっかけになりますように。
関連記事
- 調理師を辞めたいあなたへ|辞めるべきか迷ったときの判断軸と次の選択肢
- 調理師の仕事がつらいときに最初にやるべき5つのこと
- 調理師転職サイトおすすめ5選|本音比較ランキング
- フーズラボの評判は本当?元・限界調理師がデメリットから話す本音レビュー
- itkの評判は本当?ホテル経験者が見た年収交渉のリアル
- 老人ホームの調理師ってきつい?現役で働く僕が本音で話します

